誌上劇団!ポップノベル

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【ニュー小説】第一回公演「シナイ君の悪夢」

【ニュー小説】

第一回公演

「シナイ君の悪夢」

作・演出・執筆:ポップ闘志

【ご来場者様への御言葉】

「是非!作品を御楽しみください!」

「それでは!作品の世界へ!」

【開演】

ポコニャンとかでよく見る道端

シナイ君は悪かった。ろくでなしブルースならぬ、ろくでなしヒューマンだった。
なんならドキュメントにしても良いくらいの悪さだった。ヤンキーを経験したわけではない。母校に帰ったわけでもない。手口が悪かったのだ。手口といっても行動とかに移さずに、喋りで相手を罵倒したり、人に借りたキーボードを返さなかったりするのだ。金を持ってても、まんだらけ、とかに全額つぎ込んだり、深夜のゲーセンで、
ハチロク頭文字Dで何千回も遊んだり、
ファミコン喫茶のパックマンやらを何万回も遊んだりだ。それが数歳の頃の話だ。ね?信じられないでしょ?そりゃ当たり前だよ、小説なんだから。で、大人になって初めてのアルバイトで……?!あ、語ってすまん。わしが道端に落ちているコミックボンボンじゃ。わしについても、お!お!
わしを持って帰りよる車がおる。お!お!
「ありがとう!」

◯軽トラックの上

お!やっと話せるコミックボンボンが軽トラックの上で序盤のシナイ君の過去を話せる時間だ。これからは「わし」とかの老人口調をやめるぞ!わかったか!ガハハハ!
(海賊みたいに)ガハハハ!(山賊的に)
ゴホン!そしてシナイ君の最初のバイトの日。焼きそばパンの店だった。焼きたてを届けなきゃならないのに届けなかったり、
届けたり、もう色々だった。色気のある、
セクシー女優みたいな人が来たら丁寧に、
挨拶するけど、ヤンキーみたいな集団たちが来て「おい!焼きたての焼きそばパン!あと!そこのセクシー女優と家くれ!家!
レオパレス!早くしろってんだよ!」と、言われて「家は良いですよ!どうせ店主の家ですし!俺には関係ないから。でもセクシー女優は渡せません!」とシナイ君が言うと、ヤンキーは「おめえ!そこの女が誰の女か知ってんのか?!俺の女だよ!俺!俺の女!しかも何だ?セクシー女優って!俺の女はなあ!公務員系なんだよ!」で、
シナイ君は「じゃあ!じゃあ!あなたは何なんですか?!あなたは!」とヤンキーに言うと「俺はIT会社の社長だよ!そこのおじさんに家を預けてんだ!家くれ!って言い方は無かったよ。俺も謝る。ゴメン。
いや、ゴメンナサイ!」とヤンキーならぬ
IT会社の社長。店主は「いつもありがとうね。焼きそばパンとレオパレス」そんな後に分かったことだが、「家くれ!」とは
何処かの方言で、「家に上がらせて」って意味らしい。で、メインの話になる。店主のことを「どーでもいい」的な扱いの発言をしたシナイ君は初任給だけ貰い、すぐに焼きそばパン屋をクビになった。そこだ。
そこなのだ。初任給の僅かは家族のために
寄付しても良いのにシナイ君は一円も寄付しなかった。しかも、焼きそばパン屋の求人を見つけたのも家族なのにだ。大家族の家計は辛いのも分かっててだ。そんな当時のシナイ君に言いたい、いや、シャウトをしてみる。「焼きそばパン買って来い!」
シナイ君は意味が分かるだろうか?ろくでなしブルースの意味を。

ポコニャンとかでよく見る道端(再)

性格の悪い男・シナイ君は熱中症で道に倒れていた。しかし、昔の悪行からか誰も助けない。ていうか「アクエリアスを片手に持ってるし!」「アクエリアス、たっぷりペットボトルに入ってるし!」「なんならさっき飲んだアクエリアスが口の中に残ってるし!」「熱中症の可能性が低いし!」
意見という意見をまとめると、熱中症では無い。熱中症の可能性が極めて低いでもなく、熱中症では無い。「熱中症のフリをしている」と誰にも見透かされている。だってアクエリアスを持ってるし。街で知らない人はいないから(性格の悪さで)誰かに相手にして貰いたいのだろう。魂胆が見え見え!そこに偶然!あのお馴染みの人物が現れた!善人の中の善人!そう!のび太
のび太だ!しかし、のび太コミックボンボンを拾ってメガネの奥をキラリ!と点滅して冷たい空気の中、去って行った。ドラえもんらしき人は見当たらなかったので、たぶん単独行動の可能性が高いだろう。
のび太ですら助けない。どうする?すれ違い通信で助けを呼ぶ?それだ!ドラクエをパワーオンして、すれ違い通信を開く。
すると怒りやすい人がつける別名「ドS」
という香水の香りがした!この香りに憶えがある人も多いだろう。自分は二人ほど、
つけている人を目撃した。二人とも高血圧だった。しかも女だった。女の高血圧は、
増え続ける一方だった。この世から高血圧よ!無くなれ!高血圧はなくならない。
ドラクエをパワーオンしたけど対戦を申し込まれただけだった。何でだろう?何で?
ドラクエの対戦を申し込まれてレベル上げするのもいいだろう。でも、いまは熱中症という自分エチュードの最中だ。ギターで言うならエアエレキギターだ。どうにもこうにもならない。母は酒乱。書いてみただけだけど酒乱。母は酒乱。書いただけ。
オチはこれでいいかな?よくないとも~!
(半笑い)

ポコニャンとかでよく見る道端(再々)

ドラクエの対戦をしていた。アクエリアスを片手に飲みながら。熱中症ごっこで遊びつつ。シナイ君の母は酒乱だった。豆知識はこれくらいにして、シナイ君の母は怒りやすかった。待てよ…酒乱、怒り、酒乱、怒り、ハッ!ドラクエの対戦で申し込まれてきたハンドルネーム「ドS」正式には、
「ドSアホ一代」母親の可能性が出てきたぞ!まあ、良い。戦うしか無い。しばし、お待ちを!シナイ君はドラクエが母親の次に強かった。勝った!いや、負けそう!負けそう!負けそう!負けそう!勝った!けど、ディスってきたぞ!「腹立つ~!」あれ?シナイ君の周辺からも「腹立つ~!ガチャン!」(缶ビールを捨ててゲップしながら)という声と効果音が聞こえてきた。母親だ!母親が対戦を申し込んできたんだと思う。シナイ君は良い歳になっても母親とドラクエで対戦するなんてトランプとかなら良いけど、ドラクエという新しい文化で、遊ぶなんて!すれ違い通信もしたことになるし、なんて仲が良いのだろう。酒乱の母親だけど。すぐ怒るけど。親子水入らずということだろう。その後も、アクエリアスを飲みながら塩飴を舐めながら万全の状態でドラクエで対戦した。気づいたら、
充電がなくなり、力尽きた。シナイ君も、
力尽きた。アクエリアスとか塩飴を使い切ってしまった。何だかドラクエの世界観と似ている。アイテムの使い方とか呼び名、
すれ違って行く街の人々。力尽きて意識が不明になっていたことをシナイ君は知らない。だって、ただの悪夢だったのだから。

【終演】

「御観劇!感謝しています!」

「またのご来場をお待ちしております!」