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小説「どくだみレオパレス」

【小説】

文/ポップ闘志



タウリンを欲するために(古臭い言い方)
後輩の「コミケ一夫」にダイドードリンコの栄養ドリンクを「買ってきて!」と言って早いもので、もう数千年経った。いや、
厳密にいうと数分前であるのだが。太古の昔の映画「卑弥呼」みたいである。するとコミケが帰ってくるとダイドードリンコの栄養ドリンクを開けた。缶の中からは栄養のフレーバーがするぜ。「タバコ、吸います?タバコ。」空気を読め!空気を!怒鳴ろうとしていると栄養のフレーバーが怒りを抑えた。「葉巻なら良いぜ!」冗談のつもりが俺の肺を狙撃された気分だぜ。お!
おっと!申し遅れました。本作の主人公の
「叶成熟」でございます。よろしくお願いします。


スナイパーもどきのコミケ一夫に肺を狙撃されて(エア狙撃)肺のレントゲンで検査
してみると肺にクラッツが蓄積されていて
それだけで検査は終わり。悲しい気分だ。
サザエさん症候群になってしまった。暗い部屋を開けると音が聞こえた。電車の音は見知らぬ誰かのゲップ音で撃退された。


「心身ともに疲れていたのか!」いまさら気づいてしまった。疲労感から後輩に怒りをぶちまけて「後ろ!後ろ!」と思って、
更に「後ろ!後ろ!」と効果音が流れた。
(自分の脳内に)そうしていたら後ろから電車の電車マニアが好きそうな号数の電車やら列車が迫ってきた。廃材を積んで廃屋へ向かうのだろうか?駄菓子屋の、しかも
廃屋で営んでる系の奴が運転しているのだろう。何でなんだよ!すると叶のところへ
一夫が現れた。「元気っすか?あれ?フラついてますよ!大丈夫っすか?良いところ紹介します!」一夫が叶に言った。すこし待ってから叶は「フラフラなんだよ。バイオレンス映画を数千回くらい連続して鑑賞した後に、それから、バイオレンスゲームで数億回くらい遊んだみたいなことだ。」
と真剣な表情で言った。一夫は間髪いれず
「病んでるんすか?病んでるんすか?」と叶に言った。「病んでないよ。病んでないから大丈夫だよ。ありがとう。」それから
叶は自分自身の疲れを知っていた。大辞典くらい知っていた。広辞苑やらみたいに。


フラフラと到着したのは横丁の居酒屋やら
和民やら魚民やらでは無かった。なんと!そこは「どくだみアパート」だった!漫画で読んだのと違う。シェアハウスみたいになっているらしく中を見るとチャラチャラしている若者が暮らしていた。入り口にはテレビ局やらの車両があった。しかしコレはリアルだ。リアルな世界だ。と、現れたヒゲだらけの中年。それは漫画のソレだ。
「ヒゲちゃん」とアダ名をつけられている
らしい中年は実際はハタチそこそこらしいのだ。お下劣な話題を振ってみても見向きもしない。それは漫画とは大きく違う。目は純粋な目で一度もヤングアニマルやらを読んだこともないみたいだ。あと、週刊誌のプレイボーイとかですら読んだことない
グラビアという言葉も知らなそうな奴だ。
しかし、言い過ぎた。グラビアくらいは知っているだろう。見ているだろう。話題のグラドルやらは知っているだろう。と漫画のソレやらテレビのソレやらがあまりにも違うので驚いていたのだ。疲れなんて吹っ飛んだ。脳ごと吹っ飛んだ。大脳と小脳の粘膜が空中分解してドサッ!と落下した。


レオパレスと百年住宅の間にあるのがこの
どくだみアパート」なのだと叶は気づいた。目を覚ますとベッドの上だった。色気のある女たちに囲まれていた。すると女の一人がこう言った。「ようこそ!どくだみ
ハウス…もとい!どくだみアパートです」
どくだみハウスは鎌倉か?と思われるけどそんなの無い。間違えたのだ。フェロモンの香水に負けたのか?香水に水を混ぜて飲んだことのある叶には香水の匂いだけで旨いか?不味いか?を識別できるのだった。
でも、そんな特技は役に立たなかった。
女とも交じり合うことなく恋愛もすることなく、週刊プレイボーイじみた色気が叶の周囲に漂うだけ。漂流教室ならぬ漂流住宅だと感じた。ホラーの名手でも夏の暑い時には夏バテするだろう。叶は夏の暑い時にホラー漫画やらのことを考えたり、色気について考えてみたり、色気について考えてみたりと無駄なことばかりを考えた。無駄さでいえば、無職が更に下の無職みたく、
モノマネする。無職が更に更に下の無職に
なるのと同じだ。要するに無職にはなりたくないな!リストラはヤダな!てなこと。
あ!これらのことって全然!無駄じゃない
だろうということに気づいた。無駄無し。無駄なんてないんだ。無駄なんてない。
無職に無駄無し!リストラは反対!無職!
どくだみアパートで数ヶ月過ごして色気が身についた。叶はヒゲちゃんに挨拶して、
色気のある入れ替わり立ち替わりする女に
挨拶して、どくだみアパートを出た。次の日に一夫から話しかけられた。「良い商売見つかりましたよ!ホストとかどうです?
ホスト!女だらけの世界っすよ!」一夫は叶に頭を引っ叩かれた。「色気も女も色気もアパートに行って来い!」叶に一夫は「どこにあるんすか?」と返した。すると叶は「どくだみ!だよ!どくだみ!」叶は
繁華街へと去って行った。叶がリストラをされていた事実は一夫以外は知らなかったらしい。どくだみアパートで暮らして食事を食いつないだ。色気も補給した。ビタミンも補給した。炊き出しよりマシだろ!?
ま、全て作り話だけど!小説だから!

(終)