誌上劇団!ポップノベル

誌上劇団、及び、小説ブログです!

小説「オンライン砂漠」

【小説/第一幕】

文/ポップ闘志

「オンライン砂漠」

目を閉じたり開いたりする。普通の動作なのに何だか乾きがある気がする。いわゆる
ドライアイってことだろう。砂を良く使う考古学者ならば一度はなったこともある、
そんな軽い軽快なジョークでもないから、
安全安心。一般的にも良く知られている。

ドライアイになったと、知り合いの眼科医に一応、診てもらった。

女「やっぱりホコリとか付着してますか?目の中がゴロゴロし始めて最終的にはもう
自宅の美味しい肉じゃがを食べたくなって
吉野家に行ったら無くて、すき家にもありませんでした。というわけで、じゃがいもと肉さえあれば生きていける!じゃがいも美味しい!今も常にゴロゴロしてます!」

眼科医「相変わらずの眼ですね。虹色の眼をしてますね。悪魔の実の形の眼球ですね
ワンピースの道具です。あなたも能力者、ですか?」

女「え?違いますけど」

眼科医「すいません。漫画の話題でした。
私語厳禁!ジャンプの読み過ぎ!」

女「謝られても…!」

眼科医「とにかく単なるドライアイです」

眼科を出ると電話がかかってきた。

職場の上司「明日、仕事に来れる?」

女「行けません。だって休暇でしょ?休暇の日に仕事って意味が無いです。ソルティライチが無味無臭になる可能性と同じことですよ!行けるときは行きます。では!」

眼科の前でドライアイの目薬を目に落とすとシバシバと瞬きして目に潤いが戻った。
この勢いで表現すれば、知らない人とアイコンタクトをする程のことだ。これで読破まで僅かの「週刊少年マガジン」が読めるのだから。これ程に嬉しいことは無い。
女でもマガジンは読むのだろう。やはり、
男女に人気なのはマガジンなのかなあ。
いや、ジャンプも、人気なのだろう。
と、思った。

青汁と緑色のネバネバのスライム納豆を
食べると、ドライアイに良く効くという
ので食べてみると、不味い!もう一皿!
の声が聞こえてきそうな感じ。

イギリスの運河をサーフボードで走り去る
サーファーは休暇中の女だった。「私は初心者」と女は自らを謙遜していたが、早い早い!プロ並みのサーフィン。淡水でのサーフィンをするのはこの女だけだろう。

バスに乗って、ゆらりゆらりと揺られて、
何だかジブリ作品の実写版で興行収入最高記録!的な感じだ。窓を流れる海沿いの風景。この海からゴジラが出てきたら面白いし特撮ファンにとっての人気スポットになっているだろう。モスラキングギドラの戦いも見えるのが最高のバスだ。使用期限
ギリギリのアネッサを肌に塗って日焼けを
防ごうとしている女。流し聞き。

女「泳ぐぞ!あ!アネッサ塗ったから海で泳げない!全部、自分が悪い!」

すると女は砂場に寝そべった。

砂の海から出た頃には辺りは暗くなり海の水が近くまで来て流されるところだった。

【小説/第二幕】

ネットゲームを開いたまんまにしている、
女は海から帰宅して、驚いた。
日焼け止めの匂いは消えててバスの運転手が発する独特の匂い、バス香水、で周囲と女を包み込んでいた。バスの香水は良い!
良い匂い!

女はゲームをしている。プレステ系とか。
主に戦場はオンラインゲームなのである。
リアルに体験できてハードボイルド過ぎる主人公を選べば西部劇の再現さえできる。
しかし、引きこもりがちな女はゲーム三昧で体を壊してしまった。休暇から療養へと
ハチロクをシフトチェンジしていた。

療養中にも、ゲームはやめていない。懲りてないのか?と思うくらいだ。モンハンで
遊んでいる。常に自宅?と感じるだろう。
常に外泊?と同じくらいショックを受けただろう。ネイルとかシャワーとか髪の毛の手入れとかの感覚が破壊されている。粉々になった感覚たちには勝てない。
そんな女は自宅を出て、漫画喫茶へと向かった。ベテランのネットカフェ難民に見えてしまった。仕方が無い。初心者だけど。
「これが孤独な女の決定版!」