誌上劇団!ポップノベル

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小説「迷宮!五穀米」

【小説】


文/ポップ闘志


「迷宮!五穀米


湿地帯と同じくらいの湿度の高い部屋に住んでいる。


女「早く!洗濯!洗濯!」


男「いや、今、洗濯すると湿度が高くなるから。更に高くなるから」


女「でも、ドライブとか、どうする?」


男「テレビ東京の番組表、見て見て」


女「ドライブ…!としか記されてないけど何これ?」


男「そういう番組。とにかくラテ欄!ドライブで!レッツゴー!って用意は?」


女「用意してるとこ。洗濯機を回してる。

ジェットコースタームービーだから」


男「じゃあ早いな!俺は貯金箱をハイテク貯金箱で叩き割ってくるから。」


数時間後、男はアニメ鑑賞、女はゲームで

遊んでたりするから洗濯機に気づかない。

慌てて男が洗濯機のところまで駆けつけると衝撃だった。


男「うわ〜!洗濯機の中の洗濯した服が、

俺の革ジャンやジーンズが、アニメシャツが〜!乾燥機で、エジプトの砂まみれ、になっているじゃないか!」


女「どうしたの?あ!私の服が!私のレトロゲームのシャツが!あんなに高く買ったのに!」


男「お前が乾燥機のボタンを押したんじゃないか?」


女「勝手に押されてたんじゃないの?あ!

言い訳ではないよ!」


男「ごめん。俺もイライラしてた。愚痴は言わないから」


女「洗濯物を洗濯するから。もう一度。

もう一度だよ!貴重だよ!宝石だよ!」


男「宝石じゃなくて結石じゃないの?」


女「バカ!やめて!って言いつつ、笑う」


男「冗談のレベルが上がった!」


女「上がってないって!」


男「いや、お笑いドラクエと、お笑いファイナルファンタジーの話題だって!」


女「アニメとかゲームの世界だね」


買いたてのバブをバスタブに入れて漫画とアニメとゲームと湯船に浸っている気分で暮らしていこうかなあ。少し前に買った、

漫画を売って生計を立てていこうかなあと考えてきた。ダメ人間だなあ。男と女はダメ人間だなあ。二十代の二人は同居をしているけど、部屋も仕切られててハードボイルド・テラスハウスな状態だった。


朝、目覚めると、車に乗って男と女がドライブへ向かっていた。戦車では行かない!

乗用車だよ!バイクでも、バイク王でも、

バイクキングダムでもない!あてもなく、

旅を続けるのか?海へ行くというよりは、

山へ向かっている二人。菓子パンの上部にふりかけてある白い砂糖を食べたくなってパン屋さんで買ってから乗用車に乗って、

山へ向かった。


男「何だか奇妙なところに来たなあ」


女「奇妙な冒険だね!」


男「なんだっけ、それ!」


女「北斗の奇妙な冒険、でしょ?」


誰一人として二人の会話に突っ込まない。

携帯も圏外で何と樹海の方面へ進む進む。


男「うわ!ちょっと!湿気が乗用車の窓を

ガンダムが攻撃している!」


女「よく見なさい」


男「あれ?確かに攻撃はされてたけどガンダムじゃない!」


女「どうせなら、巨大なビグザムを湿地帯で見れば良いのに!」


男「え?知ってたの?ここが湿地帯だって知ってたの?何でこんな危険なところへ」


女「何と無くしか知らなかったけど…!」


男「あ〜!降りるか。一旦、降りるか?」


女「うん。そうだね。」


男「あ〜!五穀米!食べたい!」


女「いや、私は、ニコチン欲しい!」


男「砂とか砂鉄とか鉄分ありそうだから、

砂を食べる?いや、それはダメだ!俺らは人間だ!ちゃんとした食事をしないと!」


女「タバコないかなあ?ニコチン依存って

辛いよ。樹海に来るとは思っていなかった

けど、禁煙してみようかなあ?」


男「樹海をキッカケに禁煙!って何だか

非現実的だな。偶然、樹海に来たからだ

けどね。良いね!でも、樹海の迷路から抜け出せるのか?これが問題だよね。禁煙のタイミングを間違えている!と思われても

仕方が無い。無視、無視。」


女「あれ?ナビが点滅し始めたよ!」


男「え?本当?クルマ界の熱血教師のナビが進化したのかなあ?」


女「ナビを見て見て!帰り方が載っているから帰宅できるよ!」


男「帰宅へ!いざ!帰宅へ!」


すると、男は男の家に。女は女の家に。

帰っていたのだ。樹海ロスになった男と

女は、それぞれの自宅に、男は、女に

「タバコの箱ごと」女は、男に「五穀米」をプレゼントした。二人の欲は叶った。

二人とも!良かったね!(終)